RS Games Spring Championship開催報告

4月11日、葉山町森戸海岸沖でRS Games Spring Championshipが開催されました。総勢15艇参加(RS Aero 14艇、うちRS Aero7 2艇、RS Aero6 1艇、RS Aero 5 10艇、RS 200 1艇)でした。

今回はダウンウィンドをスラロームとして設定し、迫力あるリーチングを体験していただきました。午後から北に回る予報でしたが、結局南に留まりました。また、全体的に左海面に振れが入っており、スプリットしなかったのが特徴的でした。スラローム後の下マーク回航での逆転などは見ものでした。

リザルト


優勝はRS200の眞田(ジュニア)・中尾ペア、2位は武藤選手、3位は酒井選手でした。おめでとうございます。

優勝の眞田・中尾ペアは第3レースでリコールしましたが、冷静に解消してトップを獲りました。また、眞田選手は初めてのダブルハンドで、よい経験ができたのではないかと思います。

■優勝コメント(眞田選手)

1レース目は上手くいかなかったのですが、2レース目から慣れてきてだんだんわかってきました。運営の皆様ありがとうございました。

■レース概況

第1レース 210°、5knot

弱風が安定しており、トップ艇は20分強。

第2レース 210°、5knot

同様に、弱風が安定しており、トップ艇は20分強。

第3レース 210°、5knot

スタート直後に風が落ちてきたので、S旗掲揚で1周でフィニッシュを取りました。トップ艇は18分強。団子状態でフィニッシュを取りました。

第4レース 170°、9knot

風が南に回って安定してブローが入ってきました。トップ艇は8分強でフィニッシュ。

■ケースについて

今回抗議が2つ上がり、いくつかポイントがあったので解説します。間違いがあった場合はご指摘下さい。なお、執筆者(大垣)はレース運営をしたあとに、協会のレースということでプロテスト委員会に入ってパネルを立ち上げました。

ケース1

スタート前に並んでいた艇が接触するインシデントです。ただし、いわゆるお団子状態でということではなく、上側でリーチングしていた艇に引っ張られる形で発生しました。判決は判決文のとおりです。

◯サンドイッチ状態

一般的に、巻き込まれてサンドイッチ状態になった艇は、状況により規則違反(たとえば規則11)を免罪(規則43.1(a)ある艇が規則に違反した結果、他艇に規則違反を強いた場合、他艇はその規則違反を免罪される)されることもあります。今回は、間に挟まれたとされる艇は、インシデント前に下艇とオーバーラップしておらず、クリアアスターン、クリアアヘッドであり、かつ15秒ほど上側艇は避けている状態で、下艇と並走するように進路変更せず微速前進して、オーバーラップしてプロテストされたもので、さらにその直後に上艇が両艇を避けていなかったのでプロテストされたという事実認定に基づく判決です。(当事者はおかしいと思った場合は規則70.1に従い、上告ができます。)

◯規則14(b)

一部でご指摘がありましたが、下艇が急激にラフをしたなどはなく、規則14(b)艇同士の接触を引き起こしてはならない、の規則違反には該当しません。

◯証言の検討

審問は規則63.5(a)に従い、証言を検討し、確からしさの比較の基準(どちらかというとこちらが事実であると考えられる)で事実を認定します。

パーティーのときに、目撃していた方が、あれは避けられなかったと思う、という意見をおっしゃっておりましたが、当事者は、自分に責任がないなどを、証人なども呼んで、現場を見ていないパネルで立証する必要があります。今回は3艇の絡んだケースでしたので注意して当事者に審問を行いましたが、見取り図および抗議艇の証言を採用しています。

ケース2

こちらは抗議の意思を「プロテスト」という声掛けで表明しておらず、要件を満たさないため却下となりました。

◯プロテストの声かけ

私自身もオーストラリアの大会で抗議した際に、IJに真っ先に確認されて「プロテスト」と声かけしていなかったため却下された経験があります。セーリング競技は国際競技ですので、相互に違反を認識し、ペナルティ履行の機会を与えることが大切であるため、現行ルールでは規則60.2(a)(1)にて「プロテスト」と声掛けが定められています。今後、国・地域特有の声掛けを認めるルール改正などはあるかもしれませんが、現行はそれに従います。

たとえば、スタボー!とか、前通っていいよ、前通るよ、水くれ、ないよないよ、タック返して、などは、安全のためなどに交わされるコミュニケーションであって、事実かどうか、規則に従っているかは別となります。また、虚偽や脅しのようなことは、スポーツマンシップに反するので、規則2違反になるケースもあります。

◯傷害または重大な損傷

規則60.4(c)(1)に従うと、艇が傷害または重大な損傷を起こしたかもしれないインシデントに関与していることを知ったプロテスト委員会は、60.4(b)の抗議の無効が適用されず、抗議することもできます。今回は、衝突があったということで念のため海上および陸上で確認しましたが、損傷が目認できない程度で、帆走に支障はなかったので、抗議は上げませんでした。

◯損傷や衝突がないとプロテストできない?

損傷や衝突がないとプロテストできないらしい、ということがパーティーで言われていましたが、コメントしたとおり、そのようなことはありません。ぶつかったから規則違反だ、とか、ぶつかったからペナルティを履行する、ということではないのでご注意下さい。第2章A節規則10-13では、航路権艇を避けていなかった(Keep clearしていなかった)ことが規則違反になります。避けていなかった=ぶつかった、ではありません。定義「避けている(keep clear)」は、(a)航路権艇が、回避行動をとる必要なく自らのコースを帆走できる場合。(b)艇がオーバーラップしているときに、航路権艇が直ちに接触することなく、いずれの方向にもコース変更できる場合。

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